活動紹介

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機関紙「JMITU」

東京南部・日本アイビーエム支部 AI不当労働行為事件和解

AIの評価に透明性を

 

 いまや生成AIなど生活の中にもAI(人工知能)が広がっています。労働者の人事評価がAIでなされるとき、日本アイビーエム支部が勝ち取った和解の内容には大きな意義があります。 

【日本アイビーエム支部大岡義久執行委員長】都労委において去年8月1日、日本アイビーエム支部は、日本IBM㈱との間で賃金査定におけるAI(人工知能)の利用について4年超にわたる争議の末、和解が成立しました。「AI不当労働行為事件」は、2019年8月に日本IBMがAIを賃金査定に導入すると発表したことが発端です。

◆AI査定への懸念

 日本IBMは所属長の給与調整判断をサポートするツールとして発表しましたが、社内の説明は抽象的な概要のみ。組合はAIが何を考慮するのか、どのような根拠で判断するのか不透明なことに危機感を覚えました。判断基準が明らかにされなければ、恣意的な判断の入る余地が生まれます。そこでAIが考慮するデータ項目やその運用についての情報開示を求めるも、日本IBMは拒否。不当労働行為として、2020年11月に申し立てを行い、和解協議が進められてきました。

◆和解内容

 今回の和解では「AIによる評価項目の開示」、「低評価など疑義がある場合はAIの提案内容を提示し、説明する」ことなどが示されました。このような争議はこれまでなく、日本IBMというAI開発者・サービス提供業者との間で労使合意が成立したことは、大きな社会的意義を持つと言えます。人事や労務管理でのAI利用において、AIが賃金査定の人事評価についてどういう項目を評価対象としているかを明らかにすることを労使で合意し、AIの人事評価の公正性、透明性、正確性を確保するための出発点がようやく確立されたと言えます。また、評価結果の内容や給与調整の提案内容については、減額や昇給ゼロ、低評価がなされたとして組合が具体的に疑義を指摘すれば、日本IBMは、AIの評価結果、給与調整の提案内容を明らかにして誠実かつ具体的に説明するという労使合意を獲得したことも画期的な成果です。

◆今後の方針

 わたしたちは、労働者・労働組合の先頭に立つ気概を持って、2025年も労働者の権利を守り労働条件の改善に取り組む所存です。

(機関紙2025年1月10日号より抜粋)

定価1部100円(送料別)

金属労働研究所

季刊「金属労働研究」

金属産業の動向や労働者の状態、たたかいの展望など、労働組合のみならず、学者・研究者が共同して、調査・研究活動をおこなっている金属労働研究所(理事長・牧野富夫中央大学経済学部教授)が発行する季刊(年4回)。
シンポジウムの開催や定期的な研究会をおこなっています。

活動紹介

消費税減税、中小企業と地域経済の再生をめざす署名を中小企業庁に手渡す鈴木副委員長(右)

奨学金返還支援制度・給付型奨学金の拡充、学費無償化など青年の要求を文部科学省に申入れました

青年部総会・サマーキャンプ 全国から青年が集まり、大阪城周辺の戦跡を学びました

Google(親会社Alphabet Inc.)に誠実な団交実施を訴えるアルファベットユニオン支部 小林委員長(真ん中)

パワハラ降格やジョブ型再雇用賃金差別など争議中の日本アイビーエム支部

#ストライキやってみた】労働組合・JMITU小坂研究所支部のストライキに密着取材! 異常な物価高の中、果たして大幅な賃金UPは実現したのか?!

JMITUのたたかいの歴史

日産自動車・高見沢電機・池貝など倒産・工場閉鎖とのたたかい

1997年の消費税増税をきっかけに日本経済は長期にわたる「デフレ経済」に突入し、2000年代初頭、工場閉鎖や中小企業の倒産が相次ぎます。JMITUでは、この時期、神奈川・池貝、長野・高見沢電機、東京・日産自動車をはじめ多くの支部が倒産・工場閉鎖などのリストラ攻撃とたたかいました。長野・高見沢電機支部では、親会社・富士通による工場閉鎖の提案に対し、職場からの団結と産別・地域からの大きな支援で、工場閉鎖を阻止し、組合員の雇用をまもりきりました。また、日産自動車ではルノーから送り込まれたカルロス・ゴーンによる工場閉鎖の攻撃に対し全労連規模でのたたかいを展開しました。

 丸子警報器での臨時社員の均等待遇をもとめるたたかい

長野・丸子警報器支部では、1993年、28人の臨時社員の組合員が均等待遇を求める裁判闘争に立ち上がりました。裁判は1996年、長野地裁上田支部において、「およそ人はその労働に対し等しく報われなければならないという均等待遇の理念が存在し、これは人格の価値を平等とみる市民法の普遍的な原理」とし、正社員と比べ不当に低い臨時社員の賃金は違法という画期的な判決を勝ち取ります。たたかいはその後、東京高裁において臨時社員の賃金・一時金・退職金等の労働条件における正社員との格差は1割以下にするという内容で和解します。丸子警報器争議は、今日の非正規雇用労働者の均等待遇を求めるたたかいの新しい扉を開くものでした。

JMITUは奨学金返還支援制度を実現させる取り組みを全国で行っています

東京東部・日本ロール製造支部では、2020年4月から第一種限定で奨学金返還支援制度を勝ち取り、2021年には適用範囲を、第二種まで拡大することを実現しました。「安心して働きたい」という若い労働者の要求があればこそ実現できました。若い人が技術・技能を取得するのには時間がかかる。会社に嫌気がさし辞めてしまうようではダメ、長期に見れば人を育てることは、会社にとって大きな財産になると組合は主張しました。返還支援期間は入社から10年間と限定されていますが、その間は全額を会社が負担するというとても素晴らしい制度です。

労働争議

JMITUは労働者の権利をまもるため、労働争議をたたかっています

東京西部・アルファベットユニオン支部

  • 不当労働行為 都労委 2/3

東京西部・リオンサービスセンター支部

  • 不誠実団交 都労委 12/26

東京南部・日本アイビーエム支部

  • 再雇用賃金差別裁判 東京地裁510 法廷 2/6
  • 再雇用賃金差別 中労委 1/21

東京南部・ノバ・バイオメディカル支部

  • 不当配転 東京地裁 1/23東京地裁409 法廷
  • 不当労働行為 都労委 1/21

東京北部・東京北部地域支部(株式会社伊藤喜三郎建築研究所)

  • 不当解雇 東京地裁619法廷 11/22

愛知・オハラ樹脂

  • 損害賠償(被告)名古屋地裁 2/3
  • 不当労働行為事件 愛知県労委 12/14
  • 損害賠償 名古屋地裁 1/7
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