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 潮目が変わった―「組合に入っても解雇されない」 7人が連続加入。100人を回復―日本IBM支部

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箱崎本社前で朝選。多くの社員がビラを受け取っていく(12月3日)

 賃金減額裁判に続く昨年3月のロックアウト解雇無効判決。法廷闘争で連続勝利の日本IBM支部に、昨秋9〜11月、連続して7人が加入。支部は久しぶりに3ケタを回復しました。IBMの職場でいま変化が起っています。
「日本IBMでは、耳の遠い母親との電話の声が大きい。そうしたことも解雇理由にされます」「2年連続で賃金減額を受け、それまでの半分になった人もいます」――。年の瀬の12月21日夕刻、JR品川駅港南口。東京南部地協の仲間がビラを配り、日本IBMの大岡義久支部委員長(50歳)がはりのある声で、杉野憲作書記長(58歳)がつつみ込むような声で、日本IBMの非道を訴え、支援をよびかけます。
 2008年、退職強要による1300人もの社員追い出しに飽き足りない日本IBMは、2012年秋、組合つぶしに打って出ます。組合員35人にたいするロックアウト解雇です。11人が次つぎと裁判を決意するも、家族の同意を得られず泣く泣く自主退職を選んだ仲間、「組合に残っていては…」と自ら身を引く仲間。50人近い組合員が去り、支部はいっきょに100人を割り込みました。
 大岡委員長はふり返ります。「組合員が連日のように解雇される。社内でいったい何が起こっているのか。全員やられるのかと、パニック状態に陥った」と。
 あれから4年。解雇された仲間と支部のたたかいは、「国内最大のブラック企業」「ブラック企業のメダリスト」との世論をつくり上げ、日本IBMを社会的に追い込んできました。
社内では、箱崎本社の5000人をはじめ、幕張、名古屋、大阪、福岡各事業所と、社員の7割にあたる1万人のもとに、毎月、毎月必死に機関紙「かいな」が机上配布され、IBMでいま何が起こっているのかが伝え続けられてきました。
大岡委員長はいいます。「組合も傷を負ったが、会社はもっと傷を負った。みんな『かいな』を読んでくれていて、『これでは会社がダメになる』『会社が悪い』と思っている。ロックアウト解雇裁判の勝利以降、潮目が変わった。『組合に入っても解雇されないぞ』と」。
昨年8月末の「賃金減額7%」発表以降、「7%の賃金減額通知に頭が真っ白になった。理由は一切説明ない。社員の裏には家族が存在するのだ」と怒り組合に加入したMさん。
「何年も一人で悩んでいた」というある女性は、組合に入った直後から上司の態度が一変したことに驚きました。「これまで、『ありがとうございます』などという言葉をかけられたことはなかった。入る前と後でこんなにも違うのか? 一人で悩んでいたのが馬鹿みたい」といいます。彼女のフロアでは、これまで続いていた1時間前からの早出サービス残業がなくなりました。組合員が一人増えるだけで、職場が変わります。
職場の中はいまだ最悪です。「17春闘アンケート」には、「毎日パワハラが発生しています」「上司の動向にピリピリしています」「会社と社員の関係は切れています」「職場はすでに崩壊です」など、悲痛な叫びが続きます。「本社前の抗議行動をもっとやるべき」との叱咤激励もあります。
 3月8日(水)、ロックアウト解雇4次訴訟が、同14日(火)には第3次訴訟の判決が出ます(いずれも東京地裁)。
2008年の退職強要とのたたかいが自身の転機という杉野書記長がいいます。「JMITUがなかったら、私はなかった。幸せ者だと思う。3月には裁判闘争が大きなヤマとなる。裁判も組織の拡大も。勝負の年です」。(JMITU中央機関紙「JMITU」2017年1月10日付より)




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